2020年12月11日更新

玉紙(タマガミ)とは?

玉紙は、宮城県を中心とした旧伊達藩領の地域で、お正月になると神棚等を彩る紙製のお飾りです。

「星の玉」「飾り紙」「餅の下に置く海老とか鯛とか書いてある紙」「正月に飾る赤いぐるぐるのなんか怖い紙」等、他の呼ばれ方をされていることもありますが、一番多いのは「え!?あれたまがみっていうの!?」という、現物は知っているけど、名前を知らない案件。 あまり玉紙について口にする機会が無いため、名称が知られていません。
更に年末からお正月という、親類縁者宅しか行き来の無い期間に飾られ、どんと祭で全て焼かれて跡形もなくなってしまうため、他所から来た人の目に触れる機会が少ないです。

その結果、「お正月は玉紙を飾るもの」という認識が独自の文化であることを知る機会に恵まれず、ある日突然、他県ではお正月に玉紙を飾る文化が無いという事実を知った宮城県民は
「は!?あの紙無かったら餅どこに置くの!?」と、キレ気味で逆に質問することになります。
そんなわけがないとネットで検索してみたとき、「たまがみ」が漢字に変換できないことや、Wikiペディアに「玉紙」の項目が無いこと、各種質問箱等で宮城独自の文化として質問されていることを確認して初めて「マジか…!!」と驚愕するのです。

私も宮城に生まれ育って数十年、玉紙の無い正月など全く想像していなかったので、事実を知って驚愕しました。どうして宮城だけ…?と思って調べ始めたことをまとめたのがこのページです。特に崇高な目的があるわけではなく、ただの興味本位です!
リアルタイムでの情報収集には、ツイッターで話題の「おいでよ宮城さん」こと、やや気の狂ったケヤッキーアイコンの方が作ってくださった、『#これが宮城の玉紙だ 』というハッシュタグを利用させていただきました。どうもありがとうございます!

ちなみに、玉紙の他に「きりこ」「お飾り」「お幣束」と呼ばれる、紙を切ったり折ったりしたお飾りを飾る地域もあります。
なんとなく、沿岸地域に多い印象です。
一枚一枚手作業で作られたものを神社で頒布していることが多く、スーパーで数十円で買える玉紙ほど一般的ではないですが、とても凝っていて美しいものが多いので、興味のある方はこちらの本などをどうぞ。

伝承切り紙 祈りのかたち  宮城の正月飾り刊行会 (編集)  

玉紙の歴史 ※準備中

今はほとんどプリントですが、かつては歳の市の仲見世で小屋掛をして、その場で手書きによる実演をしながら販売したそうです。

玉紙の種類 ※準備中

現在、最も一般的な玉紙は(小)と呼ばれるスーパーだと30円程度で売っているタイプで、大きさは縦36×横26センチ程度、薄手のコピー用紙のような紙に印刷されたものです。
図案は、赤いうずまきこと宝珠と、海老や鯛といったお目出たい魚介類または昆布の組み合わせになっています。
宮城県においては『えび』は神棚や玄関や床の間などに飾り、『こんぶ』は仏間に飾るものとするのが一般的です。

しかし、福島や岩手などの仙台から離れた地域では、昆布柄のものを神棚に飾っていて、海老や鯛の柄は見たことが無いという情報や、昔は昆布柄しか存在せず、海老や鯛柄が出て来たのは比較的近年だという情報もあります。

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